2020年10月1日 – AFP

米当局は先月30日、労働者への虐待が繰り返されているとの懸念から、マレーシアのパーム油生産大手からの輸入を禁止したと発表した。この会社のパーム油は世界中でさまざまな日用品の材料として用いられている。

マレーシアのパーム油生産量は隣国インドネシアに次いで世界2位で、両国が世界のパーム油供給量の85%を生産している。

パーム油業界は長らく問題視されており、活動家らはプランテーション開発のために熱帯雨林が破壊され、労働者は頻繁に虐待されていると指摘する。

米税関・国境取締局(CBP)は30日、マレーシアのパーム油生産大手「FGVホールディングス(FGV Holdings)」からパーム油を輸入することを禁止したと発表。同社に対しては1年にわたり調査が行われていた。

調査では労働者が身体的・性的虐待や脅迫を受け、賃金は支払われていなかったことが判明。児童労働の懸念も浮上した。

輸入は30日から禁止され、FGVのパーム油と関連製品のすべてがその対象となり、同社と関係のある企業の製品にも同様の措置が取られている。

FGVはこの動きに「失望した」と表明し、近年は労働環境の改善のために「具体的な措置」を講じていたと述べた。

https://www.afpbb.com/articles/-/3307660