【ファクトシート vol.2】労働問題
マレーシアのパーム油産業における労働・人権リスク
パーム油やパーム核殻(PKS)が生産されているアブラヤシ農園では、以前より人権・労働問題の存在が指摘されており、特に日本の輸入量の7割を占めるマレーシアでは、強制労働、児童労働、人身売買など深刻な人権侵害が報告されています。米国労働省により2018年に発表された報告書「児童労働または強制労働によって生産された品目リスト」の中でも、マレーシアでは児童労働や強制労働、インドネシアでは児童労働のリスクを抱える産品としてパーム油が指定されています。
国際的な流通・小売りの業界団体コンシューマー・グッズ・フォーラム(TCGF)は、2018年11月に発表した報告書「インドネシアとマレーシアのパーム油セクターにおける強制労働リスクの評価」の中で、マレーシアの強制労働リスクを以下のようにまとめています。
1. 最も脆弱な状況にある外国人移住労働者の使用
2. 特にパスポートと身分証明書の保管
3. 雇用機関(ブローカー)により、雇用条件や賃金の間違った情報や虚偽の約束が労働者に伝えられる詐欺行為
4. 最低賃金を満たすために必要な非現実的な生産目標(ノルマ)
5. 賃金の控除や契約の解約につながる脅威や暴力などの強制的な慣行
FGV社は旧FELDA(連邦土地開発機構)。マレーシア最大のパーム油生産者で、これまでも労働・人権問題の存在が指摘されては改善の約束をしている。