プランテーション・ウォッチでは、「森林減少禁止、泥炭地開発禁止、搾取禁止(No Deforestation, No Peat, No Exploitation、以下NDPE)」方針に示されている基準を参照して、RSPO・MSPO・ISPOといった主要なパーム油に関する認証に焦点を当て、各基準を比較しました。

以下のリンクから比較表のPDFにて、ご確認ください。

「NDPE方針に基づく主要なパーム油に関する認証基準の比較表」(2020年9月)

その結果、NDPE方針の実施状況を農園管理として確認する認証制度としては、MSPOやISPOでは不十分で、RSPO(2018)基準を満たす必要があることが確認できました。特に森林減少禁止(No Deforestation)は、持続可能な開発目標(SDGs)の15.2の森林減少の阻止に合致していますが、MSPOやISPOでは満たせません。さらに、これらの国別認証制度では、気候変動対策として非常に重要な泥炭地開発禁止(No Peat)や、人権面の搾取禁止(No Exploitation)でも、不十分な点が確認できました。

NDPE方針については、持続可能なパーム油に関する投資家作業グループ(IWG: The Investor Working Group on Sustainable Palm Oil)によるNDPE方針の定義を使用しています。IWGは、国連の責任投資原則(PRI)の署名者の団体であり、持続可能なパーム油産業の発展を支援する投資機関のグループです。運用資産が約7.9兆ドルにのぼる56の投資機関によって賛同された2019年のIWG声明「持続可能なパーム油に関する投資家の要求(Investor Expectations on Sustainable Palm Oil)」を参照ください。