Yahoo!ニュース – 2025.2.18
経済産業省が、輸入木質燃料によるバイオマス発電へのFIT(固定価格買取制度)適用を打ち切りにする方針を決めた。同様の措置は、ヨーロッパに続き韓国が先んじて始めている。日本も後追いしたわけだ。多少遅れたが、ようやく海外の動向に追いついたか……と思ったのだが、よくよく内容を確認すると、がっかりなカラクリが見えてきた。
今回経産省が打ち出した方針は、1万キロワット以上の一般木質(ペレット、チップ、ヤシ殻)などと、アブラヤシから搾ったパーム油など液体燃料について、2026年度以降の新規案件は、FIT等の支援対象外とするというものだ。ここで気をつけないといけないのは、1万キロワット以上という条件と、2026年以降に認定を受けた発電所としている点だ。たしかに輸入燃料を使用する発電所は規模が大きく1万キロワット以上が多い。だが、このクラスの建設申請は、2022年以降は1件もないのである。一方で、すでに建設され稼働している1万キロワット以上の大規模発電所には適用しないのだから、現状の改革にはならない。
現在、建設中を含めると1万キロワット以上の大型バイオマス発電所は100を超すほど存在するが、それらは今後最長20年間稼働を続け、輸入木質バイオマス燃料も使用し続けるわけだ。まさに、誰も困らない見せかけだけの規制である。