SPOTT (Sustainable Palm Oil Transparency Toolkit)
「持続可能なパーム油の透明性ツールキット」
SPOTTは、Zoological Society of London(ZSL)によるプロジェクトで、環境面での負の影響を減らすために、パーム油産業に関連するステークホールダーに資料や情報の提供を行っています。ZSLは、RSPOにも加盟しています。
SPOTTでは、70社の大手パーム油生産企業について100以上の指標を用い、公表データに基づいて評価しています。評価対象となる企業の選定は、時価総額、利用可能な保有する農園面積規模、SPOTT利用者からの提案に基づいて行っています。2014年から評価の変化を追うことが可能です。
SPOTTの企業評価はリスク評価やリスク回避を行う場合におけるサプライヤー選定や変更のための重要な情報源として利用することができます。
以下のサイトで、各企業の評価を見ることができます。調達先を確認した上で、これらのサプライヤーの情報を利用して、総合的なリスク評価を行うことが可能です。ただしSPOTTは、環境的側面を重視しており、労働問題などへの対応状況についての評価は含まれていません。
評価基準と配点は以下となっています。
・持続可能性に関する方針とリーダーシップに関する基準(7点)
・コンセッション地域、地図や透明性に関する基準(13点)
・森林破壊や生物多様性に関する基準(10点)
・HCV、HCSや影響評価に関する基準(11点)
・泥炭地、火災や温室効果ガス排出に関する基準(15点)
・水、化学肥料や害虫の管理に関する基準(12点)
・地域住民、土地権や労働者の権利に関する基準(19.5点)
・認証に関する基準(15点)
・スモールホルダーとサプライヤーに関する基準(5点)
・ガバナンスと苦情処理に関する基準(6点)
ただ、配点については、評価項目が企業によって適用対象とならない場合などがあり、満点は各企業によって異なるため、獲得した点数の比率で評価しています。上述の項目ごとの評価とともに、総合評価について、66%以上満たす場合には「緑」、33%〜66%未満であれば「黄」、33%以下は「赤」の3段階で示しています。これにより、各企業の環境面での対応状況、そのリスクを一定程度、評価することが可能となっています。