お役立ち情報詳細

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アブラヤシ農園開発と泥炭地の破壊

泥炭地

泥炭地は大量の炭素を抱えていることから、気候変動の観点から保護すべき重要な地域であり、インドネシアではいくつかの法律によって保護の対象とされています。2011年5月以降は、大統領令として原生林地域と泥炭地域を対象に、新規開発事業権の発行を一時凍結するとした政策(モラトリアム)が実施されています。しかし、実際にはこれらの政策が現場では機能しておらず、違法な形で開発されている事例もあります。泥炭地を先に破壊して「荒廃地であるという既成事実」をつくり、形式的には合法的な開発と見せかける企業の活動が、NGOによって指摘されています。こうした問題がまかり通る背景として政府の脆弱なガバナンスが挙げられます。

泥炭地が破壊されると、泥炭土壌が空気に触れて分解が進み、温室効果ガスが大気中に放出されます。また乾燥した泥炭地は火災のリスクも格段に上がります。一度火が点くと地中を伝って燃え広がり、乾季には大規模な火災・煙霧被害を引き起こす原因ともなります。