パーム油調達のリスク

知らないことはリスクです

パーム油のサプライチェーンを確認しないことは企業にとって大きなリスクになりかねません

リスク

パーム油は食品を中心に、様々な加工品の原材料として使用されています。中には原材料としてパーム油と表記されていないものもあり、社員であっても自社の製品でパーム油を利用しているかどうか、すぐにはわからない場合もあるかもしれません。「聞いたことはあるけど、わかりにくい」と言われるパーム油調達のリスクについて、企業のCSR担当者などに向けてQ&Aを用意しました。

現時点での取り組み状況のリスク診断10項目

以下の状況に当てはまる方は、項目をクリックして、診断内容と対処法をご確認ください。

チェック項目1: 植物油を使った製品を扱っているが、その中にパーム油が含まれているかどうか把握していない。

診断と対処法:
パーム油を使っている場合、その企業活動は、パーム油が引き起こす環境的・社会的問題に関与している可能性があります。まず自社で扱う製品がパーム油を使っているか否かを知りましょう。

パーム油調達ガイドで、取り組みを始めましょう。

チェック項目2: パーム油製品を扱っていることは知っているが、サプライチェーンの状況は把握していない。

診断と対処法:
サプライチェーンとは原材料等の調達、生産、流通等の一連のプロセスです。サプライヤーが、森林破壊、気候変動、人権侵害、汚職や違法操業、強制労働や児童労働など、パーム油を取り巻く深刻な問題を引き起こしているかもしれません。そして自社も、それらの問題に加担しているかもしれません。サプライチェーンを把握していないと、突然、思わぬ事態に見舞われるかもしれません。リスクを事前に把握し、対処するには、サプライチェーンの確認は第一歩となります。

パーム油調達ガイドで、取り組みを始めましょう。

チェック項目3: 原料に関する情報は、生産国のサプライヤーや政府から得ている。

診断と対処法:
サプライヤーや政府からの情報だけでは客観性を欠いている場合もあるため、NGOやコンサルタントからの情報収集も必要です。特にサプライヤーや生産企業にとって不利な情報は当事者からは得られにくいものです。よって、デュー・ディリジェンスとして、様々な手段を利用して客観的な確認方法を利用していくことが必要です。

お役立ち情報で、デュー・ディリジェンスについて学びましょう。

チェック項目4: サプライヤーが環境や人権に配慮した原料調達を進めることを期待している。

診断と対処法:
自社のビジネスへの取組み姿勢といえる大切なことを他人任せにするのはリスク要因となり得ます。サプライヤーと協力して環境や人権に配慮した原料調達を考えていきましょう。

お役立ち情報で、デュー・ディリジェンスについて学びましょう。

チェック項目5: 投資家や株式市場において、パーム油に対してどのような関心が持たれているか、よく知らない。

診断と対処法:
パーム油の環境・社会的な問題の深刻さへの認識が広まっており、パーム油企業からの投資の引き上げも行われたりしています。世界最大級の政府系ファンドであるノルウェー政府年金基金などの機関は対応し始めており、森林減少のリスクを理由に約50社への投資を引き上げ、その約半分はパーム油と関係している会社でした。生産企業のみならず、購入企業にも対象を拡大するとの情報もあります。投資の社会的責任を問うPrinciple for Responsible Investment(PRI)責任投資原則( https://www.env.go.jp/council/02policy/y0211-04/ref01.pdf(278KB))の動きも広がってきており、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、企業年金連合会も署名をしており、2016年9月時点で、アセット・オーナー11社、インベストメント・マネージャー29社、サービスプロバイダ10社の50社に達しています。さらに、気候変動への情報開示を求めている世界の機関投資家が参加している国際NGOのCDPは、森林に焦点を当てた活動を開始しています。日本でも、機関投資家のためのスチュワードシップ・コードや上場企業のためのコーポレートガバナンス・コードが導入され、サステナビリティー課題への適切な対処が求められています。

資料室や、世界の動向ニュースサイトをご覧ください。

チェック項目6: パーム油を購入しているが、RSPOを知らない。

診断と対処法:
このような世界的な動きを知らず、対応策を講じていないのであれば、企業のリスク管理が不十分といえます。是非、RSPO認証について、情報入手を進めていく必要があります。現状は、RSPO認証だけでは課題が残るので、RSPO以上の取り組みが求められています。

RSPOをはじめとする認証制度について世界と日本の取り組み資料室>認証制度をご覧ください。

チェック項目7: パーム油製品を扱っているが、パーム油に関する世界の動向は、あまり把握していない。

診断と対処法:
今、世界では、多岐にわたる深刻な問題を抱えているパーム油をめぐって、生産者側と購入者側の企業、投資家、NGO、政府、RSPOなどの認証制度、その他の組織で、様々な動きと取り組みがあります。その中には、自主的な動きから規制措置等もあり、場合によっては、大きなリスク要因となることもあります。よって、それらの動きを察知できるよう、できるだけ広くアンテナを張り、新しく正確な情報を得ることが望まれます。動向を把握して、事前に対処できるように準備しておくことで、リスク回避やリスクや問題への対処も可能となってきます。

資料室や、世界の動向ニュースサイトをご覧ください。

チェック項目8: パーム油についての明確な調達方針は持っていない。

診断と対処法:
森林破壊や人権侵害防止、法令遵守等に配慮した調達方針に基づかない調達では、森林破壊を引き起こしている農園からの調達や、違法な操業や汚職事件、先住民族や地域住民、農園で働く人々の人権問題に加担してしまう恐れがあります。加担している場合には企業の社会的責任を問われる可能性があります。パーム油のように環境・社会リスクや違法操業リスクの高い産業においては、責任あるサプライチェーン管理を通じて、調達方針を実施して、責任ある調達を実践することが必要です。

パーム油調達ガイドで、取り組みを始めましょう。

チェック項目9: RSPOに基づくパーム油調達方針を既に持っている。

診断と対処法:
現在のRSPO認証基準では、保護価値の高い森林や原生林の保全は規定していますが、それ以外の森林の破壊や森林減少についての規定はなく、RSPOの基準では十分ではありません。POIG等さらなる配慮を求める自主的な基準が作られており、これらをベースとした調達方針を策定し、実施計画を進めていくことが必要です。

パーム油調達ガイドで、取り組みを始めましょう。

チェック項目10: グリーンパーム認証でパーム油を購入しているので問題は無い。

診断と対処法:
グリーンパームのシステムは、間接的にRSPO認証のパーム油生産者を支えるプログラムですが仮想の取引に基づくものであり、実際に入手するパーム油は、RSPO認証油ではありません。グリーンパーム認証を、パーム油の調達として宣伝することは、誤解を生む可能性があるので、注意が必要です。

パーム油調達ガイドで、取り組みを始めましょう。