〜日本のメガバンクが多額資金提供するインドネシアのパーム油企業、10件の法律違反と「重大かつ組織的な」違反で制裁〜 RAN、OPPUK、ILRF 3団体の苦情申し立てを経て

インドネシアのパーム油大手インドフード社が、世界最大のパーム油認証制度である「持続可能なパーム油のための円卓会議」(RSPO)から制裁措置を通告されたことを受けて、本日5日、環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部:米国サンフランシスコ、日本代表部:東京都新宿区、以下RAN)、インドネシアの労働権擁護団体OPPUK、国際労働権フォーラム(ILRF)は、RSPOの決定を歓迎し、以下のコメントを発表しました。インドフードはインドネシア最大の食品会社で、世界最大の即席麺企業の一つです。また同社は、日本のメガバンクの三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)、みずほフィナンシャルグループ(みずほ)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)から長期にわたって多額の融資を受けています。

【これまでの経緯】

●今回のRSPOによる調査は、RAN、OPPUK、ILRFの3団体が2016年10月に行った苦情申し立て(注2)がきっかけとなって実施された。苦情申し立てが行われる前から、インドフードが所有・運営する農園で深刻な労働権侵害が明らかになっていた。

●数年にわたる一連の独立調査により、インドフードはインドネシア最大のパーム油企業の一つであるにもかかわらず、RSPO基準や国内外の基準と法律に違反し、労働搾取の慣行に関与していることが明らかになった。労働搾取の慣行(注3)には、非常に高いノルマが課せられるために児童労働が行われたり、無給労働や不安定雇用、有害物質への曝露など危険性のある労働条件が含まれる。

【制裁の内容】

●今回のRSPOの監査により、インドフードの所有・運営する一部のアブラヤシ農園で、RSPOで求められる「原則と基準」での20件以上の違反と、インドネシア労働法について10件の違反が明らかになった。監査の範囲は、苦情の対象になった農園に限定。

●RSPOは、RSPO認証を取得しているインドフードのパーム油搾油工場1カ所と農園3カ所で調査を実施した。その結果「重大かつ組織的な性質の違反」があり、上記工場と農園のRSPO認証について即時停止が必要だとした。さらにRSPOは、同社子会社でRSPO認証を取得している他の全ての認証ユニット(農園、工場レベルなど)でも3カ月以内の全面的な監査を求め、監査の監視が必要であるとした。

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